共時性現象を通して観る生命
出版年が早いものから順に掲載しています。
酒乱地獄との死闘。「“自分”とは何か」もがき続けた著者。並々ならぬ苦悩の末ついに「自然界の生命愛」が全開した妻。その深い生命愛に守られながら、やがて酒乱と決別し自分のいのちに目覚めてゆく。夫婦の半生から見えた答えと、二人三脚で新たな生き方を再出発させるまでの道のりを語っている。飾り気のない赤裸々な文章は、夫婦で非常に普遍的な命題へと向き合ってきた半生を如実に表しており、インパクトある表紙に違わぬ印象的な内容。本作を読むと、以後なぜこの著者が共時性を切り口にいのちを語るのか腑に落ちる。また、なぜ何冊も著書を書き残しているのか、なぜその中に夫人の話が度々出てくるのかが理解できる。
共時性とは何か、どういう現象のことをいうのかがよくわかる。「共時性」という切り口からは誰も「食」を連想しないはず。「死んでも生きている」という副題からも、「食」を関連づける人はたぶん居ないにちがいない。シンクロニシティの例が数多く登場するが、この本の一大テーマはタイトル通り「いのち」である。好奇心をいたずらに刺激する怪奇現象がテーマではない。私たちはすっかり鈍感になってしまっているが、間違いなく生命の中心は食。この本はその本質に触れており、表紙の稲穂は、それを象徴している。
食と農といのちの実情を直視せず、その重大さに実感がもてない現代の私達。時代が移り変わり社会が発展しても、人の心身が培われる原点は変わらないはず…。私たちの身と心は原点を取り戻せるのか。単純に「経済的な豊かさ=有意義な生活」ではないことはもはや明らか。人間の本質は社会や文化・文明が生み出した物事との関わりの中で生きている以前に、自然の一部としてのいのちであり、あらゆる立場を超えた「いのち」の視点では、だれもが等しく自然界のいのちに生かされている存在であることを指摘している。著者の人となりや自然観が最も顕著に表れている。大判で鮮明な写真の美しさが目を引く。
いのちは動植物ましてや人間だけのものではなく、万物に宿るという生命観は究極的に宇宙観へと通じる。生命をどこまでもさかのぼれば、生命の起源が宇宙にあることは明らかだ。森羅万象に共通するいのちの原子という点を踏まえて写真に映る「霊顔」を眺めてほしい。「この “いのちの顔” は、主に、雲を筆頭にしたものが多くなっている。客観する皆さんには、必ずしも “顔” や “ある形” に似ていると思うかどうか、(中略)。俗に、偶然の出来事として、面白おかしく取り沙汰されていることでも、私にしたらとんでもない関心の高い領域であるから、子細なことでも記録に残してきた。この体験記録を改めて観ていると、そこには示唆や啓発に富んだ情報の多いことに気づかされる。(まえがきより抜粋)」
スピリチュアリティ (共時性・生命世界) / 随想写真集
111頁,19×26cm 並製本
出版:新制作社 (現・農文協)
発行:おりづる書房 2009年
非流通本/入手不可
このサイトで閲覧可
いまを生きている自分(あなた)自身の存在こそ、肉体をまとい、服を身につけている霊魂そのものだという。霊魂というと、わが身の外に存在し、わが身の外で起きる「現象」と考えがちだが、そもそもそれは、私たちの体や心に内在し、わが身の中で起きていることがらなのだ。「過去世の心(死霊)と、この世での心(生霊)の複合霊が自分(本文より抜粋)」このような記述が頻繁に出てくる。心は霊的な磁場であり、いのちの中で活躍する人魂(霊)の影響を、大なり小なり私たちは受けているということ。25の具体的なエピソードを通して伝えている。
ある面、意味深長かつ示唆に富む物語。平和という人間社会の命題を扱っている。第一章では「現実を生きる自分が、実は億万年から連なる亡き心たちの複合霊体(魂)であること、そして、死んで消えたのではなく、心は実に生き生きと輝いていて、自分を自分たらしめている原動力であるということ、そして、死んでも生きている心の世界」について述べている。第二章は、登場人物の会話が主体の文章だが、「食」に触れている箇所は、おそらくこの本の核心だろう。本作には『日月神示(ひふみ神示)』「アレの巻」の重要な一節も引用されている。シリーズの中で最少ページ数の本だが、中身が濃い。
個人的な例から社会的な事例まで紹介するシンクロニシティのエピソード集。長い年月を遡ると、一人のひとには、おびただしい数の祖先が存在しており、人間以前の生命にまで巻き戻すと、やがて地球・宇宙へと行き着く。その由来は精神世界とて同じ。みな「霊脈」でつながっていて、私たちの生命(小宇宙・潜在意識層)の中にそれら全てが脈々と流れていると述べる。また、文字・数・色の符合(共時性現象)は、自制と調和を促す現象ではないか自らを見つめることで冷静に見極め、自己を調和させる視点をもつことの大切さを伝えている。
スピリチュアリティ
(共時性・生命研究)
随想
231頁,20cm ハードカバー
発行:おりづる書房 2012年
出版:農文協 (旧・新制作社)
このサイトで閲覧可
印刷版:27
道府県 40 館
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心の世界・縁の世界がコミカルな物語になったシリーズ第四巻。第二巻では心の世界を中心に描いているのに対して、日本列島を旅する田之助が現実の縁を通して、心とは何か、いのちとはどういう世界かを学んでいくストーリー。実際、酒乱から自分のいのちに目覚め始めた著者は、妻への感謝と葛藤、複雑な思いがぐちゃぐちゃに交錯するなか「妻から逃げ出そうとして」、「我が身の、あまりの不甲斐なさに身を切られる思い」(別著『酒乱』)から放浪旅へと飛び出す。そして目には見えない存在に導かれるように次々と共時性現象に遭遇。登場するそれらはすべて実体験をもとに描かれている。同シリーズの中で最も親しみが湧き読みやすい本作。心温まる重要な点に気づかせてくれるはずだ。
スピリチュアリティ
(共時性・心霊研究)
物語
324頁,20cm ハードカバー
発行:おりづる書房 2012年
出版:農文協 (旧・新制作社)
このサイトで閲覧可
印刷版:29
道府県 47 館
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