本の詳細

要点・概要

旅の先々で続く「意図的な」亀との出会い…
魂は出会いの縁を結び
出会いの縁は運勢運命を運ぶ

書籍『神秘の大樹Ⅳ田之助とミロクの亀』「おび」記載の文言より

酒乱を乗り越え、自分のいのちに目覚めて間もない著者が、心おもむくままに訪れた旅先で次々と出会う「亀」。体験の記録を、第2巻と共通するシナリオ形式のコミカルな物語として展開し、縁は単なる偶然ではなく、宇宙根源に根ざす生命の本質(真性魂)による道案内だと伝えています。

 

「人生にむだな体験はひとつもない」とよく言います。つきつめると、それはどういう意味でしょうか。あとでふり返ると、あらゆる経験は一本の線でつながる「点」だったということがよくありますが、それはなぜなのでしょうか。

 

 

 


書籍『神秘の大樹シリーズ・第4巻・田之助とミロクの亀』/このページでは、この本について詳しく紹介します。下の目次のうち「スライダで閲覧」という項目はスクリーンリーダーに対応していないため「本文からの抜粋」(=縦書き)のご利用を。iOS端末及びMacは電子書籍(Apple Books)が利用可能。

本文からの抜粋

心は宝 いのちの宝

「まえがき」の一節

まえがき

 

(1)そうよ そうよ

田之助くんは

助けた亀に

つれられて

心の旅に出てみれば

世にも不思議な

ことばかり

 

(2)文字や 数や

色で逢う

出会いを求めて

どこまでも

野越え山越え

海越えて

大亀 小亀と

出会う旅

 

(3)引いて 引いて

手を引いて

肉体ないけど

心で引いて

いのちの船は

出会い船

万霊万魂

守り旅

 

 その時、私は五六歳になっていた。亀の姿に身を変えた魂の誘いであったのか、やりきれない衝動にせきたてられて、目的のない放浪の旅に出たのは、断酒五年目の、平成二年六月のことであった。

 旅に出た当日には、手招き姿の海亀と出会い、その翌々日には、国道を横切ろうとしていた小さな亀と出会い、農薬を心配した私は、近くのお寺の池に放したのである。

 それからというものは、旅の先々で、いかにも意図的に亀との出会いが続くようになった。

 まるで、現代版の浦島太郎の世界に入っていたのかもしれない。

 そこには、計り知れない異次元世界が広がっており、それが私の心の世界と共振共鳴しながら、出会いの縁を重ねる旅となった。

 そうした数々の出会いに秘められた縁結びのメカニズムを、いのちの中で、今、私たちの心と亡き方々の魂は、どのように働きかけ合っているのかを私なりに浮き出してみたのである。

 本文全てにわたり、シナリオ文体で表現させていただいた。

 登場スタッフは、天の声・ナビ大王・かずたま姫・もじたまの皇子・いろたま姫・夢オヤジ・ミロクの亀・田之助(私)の八名である。

 ここで旅の流れにおいて忘れてはならないことを書き添えねばならない。出会いの縁には、必ずといってよいほど文字の響きがあり、数の響きがあり、色の響きがあるという事実。また、文字・数・色を意志伝達の媒体として介在させて、声なき声を発している事実。その声なき声の発生源こそ妻の精神世界と共振共鳴するいのちの世界だといえる。

 妻は、三〇年前から、いのちからの響きを文字に書いてきた。その文字のことを妻は「いただきもの」と呼んで来た。また、その頃から、偶然の一致といわれている「共時性現象」がしきりに発生するようにもなった。その内容は「文字・数・色」に響かせて、声なき声のいのちの響きとなっていた。

 これまでに、その文章は、数万点に及んだが、今はそのほとんどが消滅している。その中で、私が追い求めてきた「いのちとは何ぞや」という命題に、一大ヒントを与えてくれた文章があるので、本書の「あとがき」で紹介させてもらった。

 妻は三〇年前のある日を境にして、頭の中が空白感でいっぱいとなり、現実世界観からは大きく隔たり、無私の世界となり、「生死の境」もなくなり、死んでも生きている心の世界が展開されてきた。そのような流れの中で、私の放浪の旅が始まったのであり、それはまた、妻の世界を学ぶ体験学習の旅でもあった。

 数千例の共時性現象体験を通して、出会いの縁と、その発生メカニズムを、「人は死すとも、心は生きている」という確かな証しを、得ることができたのである。

本書は、その証しの一端である。

 

心は成長する

心が成長して魂となる

魂は出会いの縁を結ぶ

出会いの縁は運勢運命を運ぶ

心は宝 いのちの宝

 

平成二十四年新緑 富士宮市猫沢にて

著者 菅原 茂

 

 

 

 

思うという心の行為は、善くても悪くてもそう思った者の心に刻まれて残るということ

「前編 ― 旅立ちから屋久島へ」の一節

 

 

 

 

「前編——旅立ちから屋久島へ」

 

(中略)

 

 夜は明けて日付は六月二三日・土曜日となりました。五時二五分に起床したばかりのところにひょっこりナビ大王が顔を出しました。というより、田之助には顔が見えないから「声の顔」といったらいいのかもしれないのですが。

ナビ大王「田之助くん おはよう

ちょっと早いが学びと思って聞いてください

というのは…亀のことですが

亀というのは文字ですよね

この文字というのは心に思うと生きてくるんですよ

数字もそうなんですが、文字には心があるから、田之助くんが

ミロクの亀と出会ったことで、心に亀という

文字のひびきが深く刻まれるのです

思うという心の行為は、善くても悪くてもそう思った者の

心に刻まれて残るということです

それがどういう姿形で残るかといえば

文字の心(象形的・図形的)

数字の心(数字的・量的)

色の心(色彩的)

と言う、三大分野になって心という記憶世界に残るのです

よく言われている運勢とか運命ということの舵取りというのは

実は心の中に文字の心、数の心、色の心という

三大心の何がどれだけ宿っているかで、人生全てにおいて

善くなったり悪くなったりと、いのち舟の舵が動く仕組みに

なっているのです

だから、三大心の心の蔵の内容がその人の運勢にとって

中心的働きをします

そこで改めて紹介すると

いのち舟には三人のアドバイザー(助言者)が乗っています

かずたま姫・もじたまの皇子・いろたま姫です

そして、ナビ大王のわたしが

舵取責任者です

何はともあれお客である田之助くんの心次第で

人生の方向を定めて運行しているのです

今回の旅は体験学習です

解説つきの実技といえます

つい先日、田之助くんはミロクの亀と出会いました

亀のことは、文字的な心となって三大心の蔵に入っています

姿は見えませんが、私たちいのち舟のクルーは

一部始終わかっています

そして、最強の生命コンピューターで

最速の演算回答を出します

昨夜のように、私が左目をパチリとやれば

ディスプレーで映像化できます

早朝からのこの話では目覚めが悪いと思いますが

知っていると役に立ちますよ

さっそれじゃ出発しますよ」

 ナビ大王はそう言うと、その日は特別に高度を上げてスピードを抑えながら、心やさしく舵を取っていました。これくらいのスピードだと、田之助の目にもばっちりと瀬戸内海が見えます。この絶景が何ともいえません。小豆島は眼下に映っています。オリーブ畑までも見えています。少し前方には本四架橋の瀬戸大橋もはっきりしてきました。あ、高松市の上空だ、あれ…直子(妻の妹)はこの街に居るんだよなあと、田之助の心が次々動いたのをナビ大王が知らないはずもなく、音もなくアナウンスもなく、いのち舟は軟着陸したのでした。田之助はいのち舟の凄さをいやというほど見せつけられたのです。

 思いに出した心の動きを、いのちは何でも知っていると思ったのでした。

 

(後略)

(以上、三三〜三六頁より)

文中の傍点はサイト編者による

 

 

 

 

沈黙世界のいのちは、そのひびきを どのように受け取るかで違う結果にもなるから 正しい目を養うことです

「前編 ― 旅立ちから屋久島へ」の一節

 

 

 

 

「前編——旅立ちから屋久島へ」

 

(中略)

 

 そう言うが早いかいのち舟は海上高く舞い上がったかとおもうと、そのまま水平飛行に切り替えていました。ナビ大王は例によって左目をパチリとやってディスプレーの画像に見入っています。海亀の情報収集です。

 その間、田之助は別のことを考えていました。若山牧水の祖父は「たけ海」(健海)で、祖母が「カメ」であることについて関心があったのです。今これから「海亀」に逢いに行くのだけれど、しげる(牧水)の祖父母は、このことをすでに暗示していたのであろうか? きっとそうであろうとあれこれ思いをめぐらせているとナビ大王が

ナビ大王「田之助くん、

そんなに深刻にならないでよいのですよ

いのちの世界には何一つ無駄というものはないのですから

ただそのひびきが解らないだけです

沈黙世界のいのちは、そのひびきを

どのように受け取るかで違う結果にもなるから

正しい目を養うことです

牧水(しげる)も「健海」爺さんも、「カメ」婆さんも

「遠い屋久島に行くといい…そこで海亀が待っていますよ」

というようなひびき(=意志性)ととらえるなら

正しい受け取り方というものです

それは取りも直さずこの世には、絶対なるいのちの意志(意志性)の

流れが存在するのだということですから

私たちの仕事は客人の心を察知して

出会いの縁結びをするという案内役なのですよ

その点ミロクの亀は察しがよかったですね」

 こうしてナビ大王の話を聞かされた田之助は目頭が熱くなっていました。やがていのち舟が永田海岸に到着したときは、夜も一〇時を回っていました。

 

(後略)

(以上、六三〜六四頁より)

 

 

 

 

この宇宙の調和原理は…数のいのちが中心となっているのですよ

「前編 ― 旅立ちから屋久島へ」の一節

 

 

 

 

「前編——旅立ちから屋久島へ」

 

 (中略)

 

とにかく思うこと、特に数字のいのちは宇宙の源流

のようなものですから、まさしく現実世界に

その姿となって現れるということ覚えておいてくださいね」

 そう言ったかと思うと、かずたま姫の姿は消えていました。ところが、ナビ大王がその話を続けました。

ナビ大王「田之助くん、

びっくりしましたか

いのちの世界では、心がすべて姿となって

形を現わすんですよ

特に、数のいのちは、この世界では日常語になっていることを

知っておくといいですよ」

 そのとき、ナビ大王には何か大切な通信が入っている様子でした。(中略)

 やがて夜も明けて、六月二一日木曜日になりました。勝山市を出発したのは朝の四時一二分です。

 四一二という数のいのちは、田之助にとって記念すべき数霊です。昭和三四年四月一二日は田之助の結婚記念日なのです。そのことは、ナビ大王もかずたま姫もいち早く察していました。それを知ってナビ大王はいのち舟を自動操縦に切り替えて出発したのでした。

 自動操縦になったいのち舟は、ナビ大王の調査書を元に操縦されます。ナビ大王は、田之助の心の内をくわしく調べておいたのです。田之助がこの旅で一番考えたいことは何か…また、何を知りたかったかを。

 ナビ大王は、田之助の心の中心に、いのちとは何か? 心とは何か? 共時性現象はどうして起きるのか? 縁のメカニズムについて…等が命題であることを知っていたのです。このことを田之助に知らせるにはどうしてもこのいのち舟に乗ってもらい、ナビ大王の案内のもと体験学習させることが一番であったのです。こうしていのち舟はナビ大王の調査書をもとに自動操縦で走り続けました。途中で田之助の心の片隅にあった永平寺に参拝をし、武生市の紫式部ゆかりの地にも立ち寄り、国道八号をスピードアップして京都方面に向けて進みました。

(以上、一八〜二〇頁より)

(中略)

 

そんなとき、今度は姫の声がひびきました。

かずたま姫「田之助さん、

夢の中で聞いていてくださいね

この宇宙の調和原理は…

数のいのちが中心となっているのですよ

少しむずかしいと思うけどそのことを知っていると

この旅も楽しくなるから忘れないでくださいね

数のバランス、即ち量のバランスと言ってもいいけれど

いのちを造っている元素の配分で

田之助さんの体も出来ているのですよ

何につけても数のバランスがその鍵を握っているんです

だから数字には大切な意味があることを知っておいて下さいね

またいのちの元素は毎日の

 〝食事〟からいただいているんですよ」

と言い終えると夢の中の姫の声も消えてしまいました。こうして佐野漁港の一夜は田之助の学習時間になっていたのです。

(以上、二七〜二八頁より)

(中略)

 

 今朝も田之助は夢の中で呼ばれていました。目を覚ましてみると、六月二五日・月曜日・四時二二分でした。

 田之助は、夢の中でシゲルと呼ばれたことと、四時二二分が気になったこの時、姫からあいさつが入りました。

かずたま姫「田之助さん、

目覚めはいかがですか

今日は数のいのちが起こしたようですね

あなた二二日生まれですよね

生まれながらの数字を命数というのですよ

いろいろの縁結びに数の磁力を発揮するから

二二分で目覚めたのは何かが待っている証しのひびきなのです

そのこと覚えておくとよいですね」

と、ここで話は消えました。

 田之助は夢の中で夢オヤジから本名の「シゲル」を連発され、かずたま姫には、誕生日の「二二」が命数であることを知らされていました。早朝から忙しくなった田之助はひと風呂浴びることにしました。

 

(後略)

(以上、四五〜四六頁より)

 

 

物語(印刷版:全324ページ)
著者略歴:閲覧コンテンツ内

 

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米(食物・自然界)の生命愛に身も心も重ねることで、波乱万丈な人生もどんなに苦しい思いも澄み切ったものへと昇華した著者夫妻。その二人が遭遇した共振共鳴共時の記録は、「こころとは」「いのちとは」という命題に対する答えの証しです。